【妖怪研究】旧鼠について

こんばんは。
久しぶりに更新する霹靂火です

昨日、漫画『ぬらりひょんの孫』2巻を(何度目か)読み返していると、見返しのコメントが目に入りました。

旧鼠|◆きゅうそ
 "旧鼠"とは年を経た化け鼠のことである。
 『絵本百物語 桃山人夜話』にある"旧鼠"は、仔猫に乳を与えて育てた。
 本編中の模写はその様子を描いたものだが、逆に仔猫を喰う様子にも見える。
 『翁草』にある"旧鼠"は「窮鼠猫を噛む」のことわざのように、猫に飛びかかり噛み殺したという。
 浮世絵町に現れた"旧鼠"は人に化け、可愛い女の子を「仔猫ちゃん」と呼んで
 好んで食べるイケメンホスト妖怪のようだ。


旧鼠(No.1ホスト星矢くん)


ずっと見落としていたのですが、「猫を喰う鼠」の妖怪としての「旧鼠」は、文献に登場していたのです

原文は、以下の通りです。

〔翁草巻五十六〕宝暦の始め、中京何某方に夜々燈の消ゆる事有り。不思議さにこれをためし見れば、夜更けて大なる旧鼠出て、油をねぶる故に此の如し。これに依り近隣の猫を借りて掛けけるに、例の頃かの鼠出て、行燈に掛りし処を、猫見済してねらふ。鼠また猫をにらむ。稍々(やや)久しくいどみ居けるが、猫ひらつと飛びかかりけるを、鼠飛び違ひて猫の咽へ喰ひ付き、噛み殺して去りぬ。これに驚て、方々にて逸物の猫を捜し、やう/\尋ね求めて、件の鼠をねらはせけるに、いつもの通りに鼠出て、またかの猫と白眼(にらみ)合ふ処に、この猫は少しも鼠に掛らず、白眼詰めて居る事久し。鼠堪へかね猫に飛懸りけるを、何の苦もなく引くはへて噛み殺しけるとなん。窮鼠却て猫を噛むの謂、爰(ここ)にまのあたりなりけり。
――出典『随筆辞典〈第4巻〉奇談異聞編』


現代語訳すると、こんな感じです。

宝暦の初め(1751年頃)、※2013.05.23修正-- 中京(なかぎょう:京都の中央部。丸太町~四条周辺) -- の誰かさんの家で、毎夜のように燈火が消える事があった。不思議なのでこれを見てみると、夜更けに大きな旧鼠(年を経た鼠)が出て、油を舐めるのでこうなっていたのだ。そこで、近所の猫を借りてけしかけると、例の時刻にかの鼠が出て、行燈に近寄るところを、猫がじっと狙う。鼠もまた猫を睨む。長い間張り合っていたが、猫がヒラリと飛びかかるのを、鼠は飛んで避けて猫の喉へ喰い付き、噛み殺して去った。これに驚いて、あちこちで群を抜いて優秀な猫を捜し、ようやく探し出して、件の鼠を狙わせると、いつもの通りに鼠が出て、またかの猫と睨み合っていると、この猫は少しも鼠に飛びかからず、長い間睨み合っていた。鼠が我慢できずに猫に飛びかかるのを、何の苦もなくパクっと咥えて噛み殺したという。「窮鼠猫を噛む」のことわざを、こうして(人々は)目の当たりにしたのだろう。

この旧鼠は、最終的にはスゴ腕の猫にあっさりやられてしまうのだが、「窮鼠猫を噛む」の諺のように猫に噛みつく鼠の例として取り上げられている。
しかし、旧鼠という名で猫を喰う妖怪は、他の文献には登場していない。
「仔猫ちゃん」を誘拐したはいいが、最後にはリクオに倒された旧鼠…追い詰められても所詮は三下のネズミのままなのでしょう<<<

連綿と続く妖怪の歴史を引き継ぎながらも、新しい時代をモチーフに「反復再生産」される。。。
『ぬらりひょんの孫』は、何とも「妖怪らしい」作品として首切りレースのヒヤヒヤの中続いている良い漫画だと思います
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